国産木材の種類とメンテナンス | 国産木材を活かす繋げる|MOCTION(モクション)

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国産木材の種類とメンテナンス

コンサルタント
コンサルタント

木材といっても種類は多様で、特徴も違います。
家づくりや、家具を選ぶ際に、樹種や仕上げ方法にこだわることで、
もっと木の良さや違いを活かすことができます。

国産木材の代表的な樹種の特徴

流通量は針葉樹が圧倒的に多く、建材や家具などに広く使われています。広葉樹は目が詰まっているので、硬く重く強度が高くなる傾向があります。針葉樹は広葉樹と比べて材質が柔らかく、空気を多く含むので温かみがあります。

<針葉樹>

スギ

スギ

加工しやすく直線の木目が美しい日本を代表する木材

日本の木材生産量の約6割がスギで、広く使われています。軽く、柔らかく、触ると温かみがあります。沖縄を除く全都道府県で産出されます。

代表的な産地
宮崎県、秋田県、奈良県。

ヒノキ

ヒノキ

かぐわしく、明るくきめ細やかでつやがある

比較的色が白く特有の香りがあり、スギに次ぐ使用量です。スギよりも重量と強度があります。福島県東南以南の本州、四国、九州で産出されます。

代表的な産地
高知県、岡山県、愛媛県、三重県、長野県

カラマツ

カラマツ

力強い木目で、耐水性と耐久性に優れる

強度があるため、構造材に多く使われています。ヤニが出やすいので、家具などに使用する場合には適切な処理が必要です。北海道、東北、長野県の3地域で9割を産出。

代表的な産地
北海道、岩手県、長野県

<広葉樹>

ナラ

ナラ

高級感と重厚感があり傷がつきにくい

家具や床材等に使われている広葉樹です。広葉樹は硬いので、土足で使用する床などでも問題なく使用できます。国内の天然分布は北海道、本州、四国、九州。

代表的な産地
北海道

ケヤキ

ケヤキ

非常に硬く、耐久性と耐朽性が高い

木目がとてもきれいで、非常に丈夫なので、寺社仏閣の建築に重宝されてきました。テーブルの天板等にも多く使われています。国内の天然分布は本州、四国、九州。

代表的な産地
高知県、岡山県、愛媛県、三重県、長野県

クリ

クリ

硬くて、腐りにくく、水湿に強い

水回りの内装材や基礎、土台に利用。特に心材は耐久性が極めて高いです。タンニンを多く含み、使い込むほど深みのある色に変化します。天然分布は北海道南・本州・四国・九州。

代表的な産地
岩手県・福島県・島根県・宮崎県

内装や家具に使う主な木材加工の方法

木材を上手く利用するために、木の加工方法もさまざまな方法があります。できるだけ自然のまま使いたいところですが、自然に近いほど伸び縮みします(動きます)。用途に合わせて、工夫しながら選んで使うと、快適な室内空間や家具が作れます。

無垢一枚板

無垢一枚板

大きく育った1本の木から採れる木材

丸太から切り出して作った接着加工をしていない1枚物の板のことです。木の外側をあえて落とさずに自然な風合いを残したデザインで使用する(耳付き)こともできます。

幅はぎ材

幅はぎ材

風合いを持ちながらリーズナブルで加工も自由

10㎝程度幅の無垢の板の細長い面を接着した材のことです。テーブルなどの幅広い面を作り出すことができます。無垢に似た風合いを持ちながら大きさや形が自由に決められるので広く用いられます。

集成材

集成材

強度が高く品質が安定した木材

板や小角材を同一繊維方向並行に接着した材です。寸法安定性と強度が保てる利点があります。

合板

合板

コスパNo.1 ! 一本の丸太を余すところなく使用

丸太をカツラむきにして作った薄い板(ベニヤ)を、重ねて貼り合わせたもので木の歩留まりが高いのが特徴です。もっとも流通量が多い木材製品です。

ツキ板

ツキ板

天然木の木目を楽しむ表面の仕上材

木を紙のように薄くシート状にしたものです。内装や家具の仕上げなどに貼って使うことで、中身が手軽に美しい木目を楽しめます。ツキ板の厚みを変えて重ねて曲線を出す加工法もあります。

節埋めをしているところ節埋めをしているところ

木材の見た目の等級(ランク)

木材には、節が入っている量によって、「無節(むぶし)」、節の少ない「上小節(じょうこぶし)」、普通に節のある「一等」など7つの種類があります。節は枝の付け根の跡で、節が少ないほど希少で、高価です。よく枝打ちされ、手入れの行き届いた山からは節の少ない上質な材が多く取れますが、現状の日本の山は必ずしもそのような状態にはなっていません。無節はきれいだけれども、無節ばかり使っていては捨てる材ばかりになってしまいます。
節に注目して周りを見渡してみると、例えば演台などよく目の行くところは無節、壁は上小節、一般の家具は一等…といったように、適材適所に使い分けられていることに気づくはずです。最近は自然な節の風合いをデザインとして積極的に使うという考え方もあります。なお、抜け落ちてしまう可能性のある死節(しにぶし)は、一度穴をあけて、枝を切った材で節を埋める処理をしておけば、性能上は問題ありません。

オイル塗装のメンテナンスオイル塗装のメンテナンス
ウレタン塗装されたエントランスの柱ウレタン塗装されたエントランスの柱

表面の塗装とメンテナンス

塗装による仕上げ方には、大きく分けるとオイル塗装とウレタン塗装があります。
オイル塗装は塗膜を作らないため、自然な手触りや香りを楽しむことができます。水分をこぼして放っておくとシミになるので、すぐに拭きあげるの気づかいが必要です。オイル塗装は定期的に塗りなおして手入れで生まれる風合いを楽しみましょう。糠油などを原料とした天然素材のオイル塗装もあります。
ウレタン塗装は傷や水分に対して耐久性が高いです。塗膜が硬質なのでへこみなどに対して強度を上げることもできます。木材の持つ肌ざわりや調湿性は無くなりますが、「メンテナンスに手間をかけずに、木目を楽しみたい」という方におすすめです。なお、ウレタン塗膜を削り落とせば新品同様となり、香りや肌ざわり、調湿性が戻るというのも知られざる魅力です。