株式会社内田洋行さんとパワープレイス株式会社さんのMOCTION | 国産木材を活かす繋げる|MOCTION(モクション)

株式会社内田洋行さんとパワープレイス株式会社さんのMOCTION

生産地と消費地 そこを繋ぐ人材が重要になる

株式会社 内田洋行/公共・オフィス関連事業

後列右/中田 知宏さん 後列左中/木内 麻文さん  後列右中/門元 英憲さん 前列右/小椋 滉平さん  前列中/仲山 純加さん

パワープレイス株式会社

後列左/前田 昌利さん 前列左/谷知 大輔さん

木内 内田洋行は、地域とそこに住む人達との繋がりをとても大切にしているんです。私たちの活動で地域を元気にしたいんですね。社長の大久保も宮崎県の林業大学校の名誉校長を務めたりして、トップが応援してくれてるのがすごく大きいんです。

前田 ある地方自治体の遊戯場を作るときに、ここにいる谷知さんがやった仕組みが、令和元年度の林野庁の「森林・林業白書」に掲載されました。びっくりしたのはですね、この白書の中で「タニチシステム」として紹介されたんです。

谷知 地域の材料を使うのって、すごく大変な事なんです。例えば、山から出てきた原木を、製材所で製材して乾燥して、二次加工して、家具とかに使える材料にしていくんですけど、そこをじゃあ誰がどうやって繋ぐのかっていうところが、すごくブラックボックスになっていて、使う側からしたら使いにくい、っていう事になるんです。

で、僕は色んな地域に協業できる仲間が居ますので、ほぼ全部仲間と連携して、丁寧に対応できるんです。そういう意味で言えば、ある地域の材を使わなければいけない案件がありますよって言われたら「対応できます」っていうのが、今の内田洋行、パワープレイスの強みとしてあります。

働き方を変えていく中で
木の良さをデザインで活かす

木内 オフィスを木質化するとき、デザインの力は大きいかなと思います。何でも木を取り入れたらいいっていうわけじゃなくて、用途に応じてデザインで木をどう活かすのかということですね。全体の空間もそうですし、商品というかたちの中でも、木をどう活かしていくかっていう、デザインで命を吹き込むみたいなことは、都市で使う以上は必要じゃないかなとは感じます。

前田 大きな都市で、木の空間として可能性があるかなと思ってるのは、コラボレーションとか、双発的に何か作るような空間になるような気がしてまして。そうなると、より国産材のような素材だったり、人を優しくさせるようなもので作っていく気風が増えていったらいいなと思うし、そういうデザインをしたいなと思ってます。

門元 今オフィスで、働き方を変えていこうとしてる中で、一つ大事な要素として「様々な人と集まる」とか「人と交歓する」ような場って重要視されるじゃないですか。で、そのときに私たちは商品開発の中で、もちろん自然とか林業とか、そういう大事なことも含めて、木の良さみたいなものを、もう一回、掘り起こしていこうと。

例えば、木として持っている良い効能を活かしたり、プロダクトのデザインによって、人を集まりやすくすることができます。リラックスできるとか、気持ちがいい空間であるとかをデザインしてあげることが、オフィスで木を使う意義というか理由の一つになっていくかなと思います。

得意なスチールの技術を 国産材に入れて商品開発

前田 内田洋行グループはスチール開発が得手なんですけども、そこに国産材を入れて、門元さんのチームと一緒に国産材を使った商品開発っていうことをしています。

門元 私の部門では、量産品を開発しているところですが、木の良さっていうのと量産の部分とちょっと矛盾するところはあり、量産品として均一化することで良さを殺してしまうことがあります。可能な限り加工を行わず、地域で育った木の良いところをそのまま届けるべきだと考えています。内田洋行の商品としては、その木の良さの部分を活かし、苦手な部分を補完するためにスチールの技術を組み合わせてカタチにしているというところはあります。

素材として木はすごく取り扱いにくいんですけど、良いところをフォーカスしてあげれば、いくらでもやりようがあるし、そこがデザインの役割だと思います。

前田 木材が工業製品にかなわないのは、経年で変化しますし、材料の品質基準が難しいんですよ。空調の影響も受けますので。ケースバイケースでちゃんと選んでデザインしたいっていうのは、そういうのをちゃんと選びながら、ふさわしい場所に、ふさわしく入れていくということですね。

オフィスに欠かせないICTを
木の空間と合わせて提案する

前田 テレワークの時代になったり、「集中する時間」と「人がワイワイする時間」が変わってくるとしたら、商品開発もそうなんですけど、それこそ国産材であつらえるデザインにしていきたいなと思ってます。

木でスタジオを造ってる大学もあるんです。そのスタジオから、生徒たちにオンライン授業するんですけど、木で造るとあつらえが全然違っていてですね、雰囲気が違うんですねオンラインでも。

木内 内田洋行は、空間とかの環境構築のビジネスと、 ICT のビジネスをやってまして、その中で、いざオフィスの設計っていうと、木質化という話もあるんだけども、やっぱりオフィス空間には必ず ICT がある。プロジェクターであったり、AV 機器とか、映像ディスプレイだとか。今だったら、テレビ会議のしつらえだとか。

ICT機器を活かせるように空間と合わせて提案してるので、例えば、テレワークしてると、誰かがテレビ会議やってたら、周りがうるさいみたいな話があれば、それを囲ったり。空間と ICT の両方を合わせて解決できる、両方を提案できるっていうところが、一つの特徴であり強みだという のはあります。そこに無垢の木が加わるのを、強い思いとしてやっているということですね。