第3回もくチャレ 授賞式レポート | 国産木材を活かす繋げる|MOCTION(モクション)

第3回もくチャレ 授賞式レポート

最優秀賞は、慶應義塾大学桝田将太郎さんの「TriRock Chair」

2026年2月13日(金)東京ビッグサイトで開催されたWOODコレクション(モクコレ)2026において、「第3回国産木材デザインコンテスト(以下、もくチャレ)」の各賞発表と授賞式が行われました。

当日は、審査委員長の小泉誠氏(家具デザイナー)による賞状・副賞の授与と、受賞者一人ひとりへの講評が行われました。

コンテストのテーマは「暮らしの木質化〜若者のひとり暮らし〜」。身近なテーマとあって、アイデアに溢れる作品を多数ご応募いただきました。全60件の応募作品の中から、一次・二次審査を通過した6作品が、北海道産スギの3層直行集成材(CLT材)を使用した実制作で競技し、最終審査によって4作品が各賞に選ばれました。

【最優秀賞】

「TriRock Chair」

慶應義塾大学 桝田将太郎さん

テレビ鑑賞や読書に「くつろぐ」
仕事や勉強の時に「集中する」
スタンディングチェアとして「寄りかかる」

【作品紹介】「TriRock Chair」は、椅子1脚で3通りの座り方ができるロッキングチェアです。椅子を滑らかに回転させる構造により、限られたワンルーム空間においても、ひとり暮らしの多様な時間にフィット。仕事や勉強、趣味、そして休息のひとときまで、日々さまざまな挑戦を重ねる若者の暮らしに「木」が寄り添います。

【講評】3つの座り方をロッキングして選ぶかたちが座面の形状に現れている。側面の三角形の中の曲線が座面の特徴をシンプルに示し、造形だけでなく、機能につながっているのがとても面白い。

【受賞者の声】素材感やサイズに結構こだわったので、評価して頂きとても嬉しいです。自分で作ってデザインするのが好きなので、今後も丁寧にものづくりしたいと思います。

【優秀賞】

「 Tessella 」

芝浦工業大学 村田あずきさん

単体では椅子やサイドテーブルとして。密着させれば座卓にも。
コンパクトな収納性は一人暮らしにぴったり。

【作品紹介】「Tessella」は、一人暮らしの限られた空間における「広さ」と「生活の質」の関係に着目した作品です。組み立て式で収納性に優れ、必要なときに取り出し、使わないときはベッド下など狭小なスペースにもコンパクトに片づけられます。

【講評】六角形という発想が面白く、組み合わせれば隙間がなく埋まり、生産性の歩留まりも考えられていた。4脚分の面取りを根気よくやったことも評価したい。普通のスギ集成材では荷重が持たないがCLTなら可能なデザイン。素材をよく見抜いていた。

【受賞者の声】年末年始に延べ30時間ヤスリがけしました。努力が報われて本当に良かったです。

【奨励賞】

「-KUMIKA-」

穴吹デザイン専門学校 伊藤和奏さん

組み上げは自由でも家具に留まらずオブジェ的な要素がある。
CLT材なので見た目より強度があり、斜めにも使用可能。

【作品紹介】「-KUMIKA-」は、自分だけの空間を持つ人に向けた、自由に組み替えられる棚です。棚のサイズを、ネジやダボを使わず直感的に組み替えられ、気軽に模様替えができます。用意された溝のモジュールは、A4や文庫本に対応した規格で書籍を収めやすくなっています。

【講評】一個の箱ではなく、組み合わさった時できるスペースの使い方がとても魅力的である。実制作の審査を見た時に本物の魅力や設計思想に気づいて、多くの票が集まった。

【受賞者の声】大きな場での受賞は初めて。これからも頑張っていきたいと思います。

【奨励賞】

「KAKEJIKU TABLE」

東京大学大学院  田島作朗さん

4〜5名が囲める座卓。
脚を利用したカギ括弧付きの掛け軸に。
詩人長田弘の「テーブルのうえに世界があるんだ。やたらと線のひかれた地図のなかにじゃない。」が彫られている。

【作品紹介】「KAKEJIKU TABLE」は、尺八幅と呼ばれる掛軸の寸法を踏襲して普段は掛軸に。中人数の友人が集まった場では、一人暮らしでは生活家具になりにくい大きな座卓になります。天板に手彫りなどで好きな言葉を彫れば、一層、掛け軸としての面白さを楽しめます。

【講評】仲間が集まる楽しい姿が思い浮かぶ。邪魔になりがちな大きいテーブルを、堂々と掛け軸として見せた発想がとってもユニークだった。

【受賞者の声】建築に専念しているので普段は横断的にはやっていませんが、今回参加してプロダクトデザインの面白さがちょっとだけわかったのが良かったです。

3月5日(木)〜3月24日(火)までMOCTIONショールームにて入賞作品を展示。

審査委員長の小泉誠氏。

小泉審査委員長は総評で、「今日において、実制作の現物で審査をすること自体が稀である。審査員には、森に詳しい方から、リテイルの方、コーディネーター、行政の方と多様なスペシャリストが集まり、審査方法もデザインだけではなく、機能性や安全性など、実制作ならではの配点があってよくできたコンテストだった。参加した学生たちが〝木のものづくり〟を学び、経験できる良い機会を担ったと思う」と、今後、こうした学生コンテストが広まっていくことを切望されていました。

上記4点の入賞作品は3月5日(木)〜3月24日(火)までMOCTIONショールーム(新宿パークタワー5階)にて展示されます。ぜひご来場ください。詳しくはこちら

【もくチャレ事務局より】

もくチャレ第3回国産木材デザインコンテストにご応募いただきありがとうございました。

MOCTIONでは小学校から大学といった教育の現場と連携したコンテンツ制作やイベント開催などを行っていきます。随時、公式LINEやWEBサイト、公式Instagramなどで発信していきますので、よろしくお願いいたします。

新宿にあるMOCTIONショールームでは、2週間ごとの自治体展示(地域の木材や木工製品などを紹介)をはじめ、森林循環を訴求する展示や、国産木材に関する情報を紹介しています。木の教育が学べる場として、ぜひご来場ください。(ショールームの詳細はこちら