森と木の利用状況という新しい視点から日本の歴史建築をひもとく海野聡氏の随想
隈研吾館長のご友人が執筆する「くまの輪」のコラムも7回目を迎えました。今回は昨年2022年に発刊された好著『森と木の建築の日本史』(岩波書店)の著者、海野聡(うんのさとし)氏です。
これまで日本の歴史建造物についてはいくつもの建築史や美術史が書かれてきましたが、材料となる「木材」、そしてその生産拠点である「森林」まで視野に入れて通史を深く論じられたのはおそらく海野氏が初めてでしょう。
氏いわく「木を単なる材料として確保するだけではなく、その木の生産まで配慮し、保存の範疇に取り込んで」きた日本の建築史を本コラムでぜひ再確認してください。